研究概要 |
○昭和61年度の前半は、出版社や本屋・書店から出版目録をとりよせ、当研究のために必要な書物と論文をリスト・アップし、精選文献表を作製し、必要度の高いものから、桐原書店を通して、海外発注することに費した。夏休みあけごろから、発注の本が到着しはじめ、昭和62年1月初めに、ミシガン大学刊の『中世英語辞典』の到着を最後に完了した。 ○上記の図書の到着を待っているあいだに、既刊の『イギリス中世劇集』,『中世劇の世界』の執筆にあたって収集した資料を整理し、中世演劇辞典に収録するにふさわしい情報は、実際にワープロに入力し、カード作りを始めた。 ○10月,11月,12月と3回にわたって、「中世演劇辞典の構想について」を、中世イギリス演劇研究会の研究テーマとしてとりあげてもらい、全体の構想,テーマ,見出し語等について、有意なアドバイスを得た。 ○最も多くの情報を収集することのできたイギリス中世の聖書劇に関する項目を作り、劇の現存する写本,テキストの歴史,筋書,人物描写,音楽,中世美術との関連,舞台,衣装,演出方法等についてカードを作った。 昭和61年5月、西ミシガン大学で開かれた国際中世学会に出席し、中世演劇の言葉について研究発表を行う機会を得たが、その際、各国の中世学者との交流,訪問した西ミシガン大学中世研究所から、情報や資料をを多く得ることができた。また、昭和62年3月、グラスゴー大学で開催される国際フォークロア学会に招かれ、「中世受難劇の祝祭」のテーマで、研究発表をする。当発表は、昭和61年度科学研究費の補助金に援助されて完成されたものであるが、研究発表を通じて、同学の志から、知的援助を多く得るものと期待している。
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