研究概要 |
前半期は以下の各地において基本的文献の収集にあたり、所期な成果を挙げることができた。 1).7月21日〜26日.東北地方のハリストス正教会(白河,仙台,石巻,盛岡,大館)を歴訪し、各教会所蔵の古文書を閲覧し、必要な個所を筆写ないし複写し、同時に各教会所属の古くからの信徒に回観談をうかがいこれを録音した。 2).8月11日〜16日.北海道、札幌正教会においても同様の作業を行い、あわせて北海道大学村落スラヴ研究センター、北方資料室等で蔵書、ならびに所有資料を閲覧し、必要と思われる個所の複写を行った。 3)10月13日〜11月3日 大阪ハリストス正教会}11月6日〜11月10日 京都ハリストス正教会}1).2)で記した各地の教会での作業と同様の作業に従事した。 上記作業と並行して、『正教新報』『正教時報』(いづれもハリストス正教会本会の機関誌、前者は明治期に刊行、後者は大正、昭和の刊行にかかり今日に到っている。)を主として手掛りに、教会から派遣されてロシア各地の神学大学をはじめ教会関係の諸機関に学んだ神学生たちの帰国後の足跡を調査し、日露文化交流の一端を明らかにしようとつとめた。その成果は「ニライ堂の人々」という総合タイトルのもとで『窓』誌に連載中の論文である。
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