研究概要 |
第2言語としての英語を習得した海外滞在のの小学校児童が帰国して, その後英語をどの程度保持できるか, またどのようにして忘れていくかについての研究の第2年目が終了する. もう一年間残っているが, この間, ほゞ1ヶ月に1回の割合で, 小学校帰国児童数名とのインタビューを繰り返してきた. 1人あたり約20分程度から30分程度, 主にストーリーを話してもらう. このほかに, 本人が英語を話す際に何か困難があるかどうかを質問している. これらをテープに録音し, さらにアメリカ人に書写を依頼し, 資料として貯えることを行ってきた. これはさらに継続するわけだが, 前年につづきある程度の傾向はでてきたように思われる. (1)7年以上英米などに住み帰国した児童は, 2年たっても英文の流暢さと正確さにあまり変化がない. しかし2年たつころ本人は頭で英語の表現を考えたり, ことばがうまくでてこないという意識をもつようになり, それが自分は英語が話せなくなったという意識に変化する. (2)2年程度滞在した後帰国した児童は1年たたないうちに明らかに話せなくなってくる. (3)表現や文構造が次第に単純になっていく傾向がある. (4)単語数が減少し, 同じ語や表現を繰り返すようになる. (5)週一度英語教室に通うのは多少歯止めになる. 特に先生がアメリカ人などのネイティブ・スピーカーである場合がそうである. 日本人の文法中心の授業は役立たない. その他に児童によっても生理的な差があるように見受けられる. 男女差もあるかもしれない. 小学校4年生から6年生の場合である.
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