研究概要 |
本研究は、日本人学習者の英語発音習得上の困難性を解明するため、日本人学習者とnative speakerの発音でちがいが顕著な母音の長短と二重母音について音響分析によりそのちがいを明らかにすることを目的としているもので61年度の研究実績は以下の通りである。 1.発音素材の設定 1).native speakerと日本人学習者の発音が著しく異なる幾つかの点に的をしぼり、それぞれの目的に適した音声環境に母音がある英語単語を選んで検討した結果、p-t,p-d,p-無声等の-上に母音を有するものを主として選んだ。2).1)の単語が文頭、文中、文末に立つような、さらに文末の場合は感嘆文や疑問文というようにイントネーションの異なる短文を作成。 2.収録方法の検討=発音者の平常の発音を正確に知るため収録の際の素材提示方法を検討。1項目ごと書いたカードを提示することにした。 3.試験的収録とその試料分析=1の素材と2の収録方法の適否を知るため、1人のnative speakerの発音を収録。FFTアナライザーによる分析から今後の大量の試料分析の方法について検討。素材についても検討。 4.録音素材と収録方法の確定=3つの実験から録音素材と収録方法を改善。 5.発声者の選定=1).日本人学習者の英語母音発音の上手な代表者を倍賞が発音演習の授業で録音させた資料を参考に選定。2).下手な代表省は音声学の知識のない62年度新入生の中から選ぶ予定。3).native speakerは方言別にアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア各3〜5名。日本人学習者との比較のため同じように若い女性を選んだ。 6.収録=日本人学習者の下手な発音の代表を除いて素材の発音収録進行中。 7.分析=収録済みのものからFFTアナライザー、コンピューターによる音響分析も並行的に進行中。
|