1.1950年から1980年に至る日本の再軍備およびその後の防衛政策の展開に関する公刊資料を、古書店を通じて、あるいは国会図書館、東京大学図書館、防衛研究所等を訪ねて、体系的に収集した。また、国会図書館新聞資料室の切り抜きを通読、複写した。 2.自民党、社会党、民社党などの防衛関係委員会、防衛庁、自衛隊、経済団体、ジャーナリズム等の防衛担当者にインタビューを行うと同時に、資料の提供を受けた。本年度は、1950年代および1970年代、とくに吉田内閣と三木内閣時代の関係者へのインタビューに大きな成果を収め、貴重な一次資料を入手しえた。 3.アメリカン・センター(札幌)、米国大使館情報文化部、ドイツ文化センター等から米国および西ドイツの防衛に関する最近の資料を入手した。また、本年1月に西ドイツ政府の招きで2週間ほど同国を訪問した際、西ドイツの防衛政策に関する著書、パンフレットを入手した。アメリカの防衛政策については、東京大学の五十嵐武士教授の協力を得た。 4.以上の資料にもとずき、とりあえず、再軍備過程についての論文を二編執筆、公刊した。一編は、西ドイツと日本の再軍備の比較に関するもので、他の一編は、吉田内閣の再軍備政策に関するものである。他に、社会党とドイツ社会民主党の再軍備に対する政策につき、三編の論文を執筆したが、間も無く公刊する予定である。 5.以上の調査の結果、未公刊の資料を多数収集しえたので、資料の編纂を企画し、三一書房の内諾を得た。ガリ版ずりの資料やインタビューのテープを速記によって起こしたものを中心に、刊行する予定である。
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