研究概要 |
明治前期の地方官の統治意識と統治態様について、その全体像を解明するための基礎的作業を進めることができた。以下箇条書きに記す。 1.明治前期の地方官をリストアップ(『彷書月刊』2巻11号,17-19頁)した後、各人別にデータを収める作業を行った。地方史を網羅的に調査すると共に、各地方の関係文書館・図書館への照会を行った。未だデータ不足のため、人物データ・文献データを共に検索しうるパソコンへの入力にはいたっていない。 2.明治の地方官研究の意義と枠組の整理を示すために、『彷書月刊』2巻11号において、「明治の地方官」なる特集を組み、他の研究者の応援を得て、数人の特色ある地方官について小伝を掲載した。 3.明治の地方官関係の公文書を、国立公文書館及び宮内庁書陵部から系統的に集めている琉球大学図書館・沖縄マイクロセンターに対する現地調査を行った。その結果、多くの有益な資料に接することができた。 4.以上の作業の進行過程において、明治の地方官会議の資料を集積し、当面分析の中心にすえることによって、地方官の統治意識と統治態様の考察という本研究の課題解明が一歩進むことがわかるにいたった。そこで、他の研究者の協力を得て、地方官会議の資料を分析するための準備作業を行った。 5.明治前期のみならず、明治後期から大正・昭和期をも射程距離に入れた地方官研究の必要性を痛感するにいたったので、資料収集面ではそちらにも気を配ったつもりである。
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