研究概要 |
本研究では, 技術革新が産業関連構造を通して, 産業構造に対して与える効果を計量的に解明することを目的とした. コンピュータの導入を一大契機として, とりわけ1960年代から70年代にかけて, 工場レベルでの技術革新が重視したが, 1980年代に入って, 事務管理部門レベルでの技術革新(=いわゆるOA, オフィス, オートメーション)が進行中である. OA化の経済的影響として, 従来主として論じられてきたのは, OA化のもたらす当該企業内部での雇用への影響, 労働生産性への影響, 製品価格への影響, といったミクロ経済分析の範囲を出なかったが, 本研究では, という一連の因果連鎖を通じて, OA化が産業構造に及ぼすマクロ経済効果を明らかにすることができた. 本研究は, このような研究目的に対応して, (1)投入係数の変化の計量的予測方式の確立, (2)最終需要の変化とわが国産業構造の調整の実態の計量的評価 という両側に重点をおいて研究を実施した.
|