研究概要 |
中国経済貿易動向の現状をより長期的な展望のもとに把握するため外部講師として今井裕之氏(ジョンホプキンズ大学・6月5日)及び浦田秀次郎氏(早稲田大学・6月13日)を迎え、「中国の経済成長と構造変化」に関するヒアリングを行った。ついで中国経済についての基礎的文献及び統計資料の収集整理作業に着手し、その成果を「中国経済文献目録-対外経済関係を中心として-」keio Economic Observatory Occasional Paper(1987年3月刊)として刊行した。 1986年12月4日に「中国貿易の現状について」中国対外経済貿易部国際貿易研究所日本研究室副主任馬君雷氏を団長とする視察団を迎え、慶應義塾大学産業研究所所長尾崎巌氏他5名の当研究所スタッフと合同の研究会を開いた。当日は中国側より中国製品輸出伸長を計るためにアジアNICsの経験を学びたいとの希望が述べられた。佐々波・浜口の日本とアジアNICsとの貿易研究の成果に対し中国側は強い関心を示し、今後の研究協力体制の必要性が確認された。 アジア地域の工業製品貿易の拡大については日本とアセアン諸国の貿易投資関係を分析した成果が、Yoko Sazanami"Japanese Trade in the Pacific Rim:The Relationship Between Trade and Investment"-ed NemezP.The Pacific Rim Universty of British Columbia Press,1986年として発表された。また、浜口登著「88年代の日本経済と対ASEAN関係」早稲田大学社会科学部『科学と現実』1987年2月号も同様の問題をとり上げたものである。 このような日本とアセアン及び環太平洋諸国の貿易投資関係に、中国の貿易投資の拡大がどのような影響を及ぼすかが本プロジェクトの主要課題である。
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