研究概要 |
(1)ワルシャワ中央計画統計大学のJ.Bossak助教授、S.Sitnicki講師と長期間の共同研究を京都で実施できる幸運に恵まれた。前者とは86年9月まで(a)外国貿易 対外経済関係について突込んだ共同研究を行い、ますます深刻化する対外債務累積問題(サラ金地獄状況)を明らかにしえた。これが改革が乗切らなければならない最大の問題である。(b)1986〜1990年計画の検討を行い、この期間の課題と展望を共同論文草稿(タイプ原稿43枚、未発表)にまとめた。後者とは1986年9月から11か月にわたる共同研究を遂行中で、第1段階はポーランドの環境問題について同氏の業績を紹介・吸収することを中心に行い同氏の論文「自然破壊の脅威と社会主義企業」(『立命館経営学』第25巻第6号、1987年3月)、「消費水準向上の環境への影響」(論文(6)1987年9月刊)としてわが国に紹介することができた(同氏の論文は、わが国の最良の文献になっていると思う)。目下、同氏とは改革の進行状況と基本問題という第2段階の研究を進めている。 (2)企業財務状態の分析を進め、83年以後の新しい事態である破産・倒産問題をつっこんで研究し、86年末までの状況を明らかにした論文(3)をその成果の一部として発表した。 (3)小規模生産と協同組合分野については、長文の協同組合法の下訳を終えるとともに、消費協同組合,生産協同組合,手工業協同組合,住宅協同組合の新しい動向を明らかにした(論文(4)、近く発表)。 (4)改革理論については、論文(1)を発表して以後、J.コルナイ理論とJ.パエッカ理論の検討を進め、前者については11月に関西経営学研究会で中間報告を行なった。これと関連してソ連・東欧の改革と中国の改革とを比較した論文(5)を翻訳・発表した。2カ年計画のため全体としての研究成果発表は次年度に行う予定である。
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