研究概要 |
本年度の研究実施計画は、調査対象である鐘紡,倉敷紡績,敷島紡績,大和紡績,東洋紡績,日清紡績,富士紡績およびユニチカの8企業について、計画-1 8企業とその被合併企業の社史、営業報告書等の資料調査収集計画-2 8企業で所蔵する合併関係資料の調査収集 計画-3 被合併企業が存在していた所在地での合併関係資料の調査収集 計画-4 上記の諸資料から得られる合併までの経緯,合併・被合併企業の経営者,株主,財務数値,労務状況,生産設備状況,技術ならびに工業所有権についての情報の項目別一覧表の作成であった。これらの計画に対して、本年度はまず計画-1については、8企業の資料所在所蔵調査を行い、その一部を複写の上収集した。この作業により8企業ともほぼ社史、営業報告書の所在所蔵状況が判明した。しかし被合併企業については、若干の営業報告書の所在所蔵しか判明しなかった。さてつぎに個別企業の調査をを実施するにあたり、実施順位としては、明治期以後合併件数の多い鐘紡および東洋紡績の前身会社のうち合併件数の多い三重紡績をまず始めとした。これら2社について計画-2を行ったが、会社所蔵の合併関係資料は2社とも見るべきものが少なかった。計画-3については、被合併企業の所在地での経営内部資料は発見できなかった。しかし明治期に地元で発行された新聞紙上に合併に関する記事が掲載されているので、それの調査収集を行った。なお2社の被合併企業数が多くかつ注意深く記事を探さねばいけないため、この調査収集には多大の時間と繰り返しの出張が必要となったため、本年の計画実施の中心となった。計画-4については、2社の項目毎の一覧表を作成するため、入手した情報の整理を現在行っている。なお本研究の成果発表を昭和61年11月22日開催の経営史学会関西部会において「明治後期綿紡績会社の合併について」と題して行った。
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