研究概要 |
現代マーケティング競争行動空間の下での製品政策の意義と展開についての理論的・実証的研究を目的として、以下のような研究を行ないかなりの成果をえた。 1 製品が重要な戦略変数となっていることの歴史的含意を考察するとともに、製品政策の競争行動的意味合い、および他のマーケティング変数との関連について検討した。 2 経済学の領域で製品や品質がどのように扱われてきたかについて、チェンバリンやアボットの先駆的業績や複数製品企業間の製品競争についての最近の業績について検討を加えてきた。 3 製品政策の展開により、マーケティングは企業の諸活動の総合としての性格を濃くしてくる。したがって、マーケティング,生産,研究開発の間の機能的関係を明確に分析することが不可欠の課題となるが、それへの接近方法について検討を加えてきた。 4 製品差別化,市場細分化,製品多様化,製品陳腐化など、製品政策の主要な形態と各形態間の関係について検討してきた。 5 先年、我々はわが国の大企業を対象にして「企業行動調査」を実施したが、上記1,3,4,の視点からその結果を検討・分析してきた。そしてその一部を『現代日本大企業の行動様式』(山口経済研究双書第23集)の中で報告してきた。詳細な分析を継続中である。 6 次年度以降に予定している「現代企業の製品政策の形成と展開」についての本格的な実証研究のための準備をも併せて行なってきた。この研究でえられた成果をふまえて、製品政策を統合的に説明する分析枠組の構築をめざしてゆく。
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