研究概要 |
社会生活において、社会規範の影響は無視できない。たとえば規範を厳格に厳守する消費者と逸脱する消費者とが共存しているが、特に購買,所有、消費などの問題に対し、ルールや約束を遵守するものとそうでないものとの消費生活上の差異に注目するものである。このことは、マーケティング政策の立案において重要な意味をもつものと思われた。 ところで、本本研究をすすめるに当たり、社会規範をいかなる方法により測定するかに集中された。そのため、わが国の18歳以上65歳までの男女(東京,大阪,札幌,福岡)16名に、面接調査が実施された。家庭生活,個人生活,社会生活,金銭上の問題,職務(または勉学)の問題に関する質問で、どのような規範が存在するかに関心がもたれ、カードにファイルされた。同時に、台湾および韓国からの留学生には、集団面接が施行され、かれらの規範とわれわれの規範との差異に注目された。 事前準備の後、社会規範に関する調査票が作成された。調査票は、4つの部分から構成されている。第1部は、社会規範に関する項目、第2部は、消費生活を中心としたライフスタイルに関する項目,第3部は、毎値観に関する項目,第4部は、不安感に関する項目 である。これらの項目からなる調査票を、東京都23区に居住する生活者に、2段無作為抽出法により、施行された。特に、社会規範の項目については、その信頼性と妥当性が検定され有効でない項目が、30項目中、3項目発見された。 以後、いくつかの不安状況を想定し、特定の消費者群がいかなる価値観を希求するとき、いかなる社会規範を意識し、ある消費生活のタイプへと誘導されるかのシミュレーション・モデルを構築し、企業のマーケティング政策の立案に活用しようとする。
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