研究課題/領域番号 |
61540052
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊吹山 知義 九大, 教養部, 助教授 (60011722)
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研究分担者 |
宮脇 伊佐夫 九州大学, 教養部, 助教授 (40028254)
矢ケ部 巌 九州大学, 教養部, 教授 (00038431)
児玉 哲夫 九州大学, 教養部, 教授 (30038418)
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キーワード | 保型形式 / 跡公式 / ヴェイユ表現 / 代数群 / 離散群 |
研究概要 |
(1)任意の次数nに対してコンパクトシンプレクティック群Sp(n)の保型形式の一部は、一変数保型形式からの「持ち上げ」であることを示し、両者の間のL函数の関係を求めた。手法はWeil表現とアデール群上の算術によっている。従来、dual reductive pair と呼ばれる代数群の組については、 R.HoweによってWeil表現による持ち上げの一般原理が記述されていたが、我々の2つの代数群の組はdual reductive pairではないという点で、「持ち上げ」の理論の枠を広げ新しい問題を堤出したと言えるであろう。(以上は伊原康隆(東大理)との共同研究) (2)Sp(n、1R)上のジーゲル保型形式とSp(n)上の保型形式の次元比較を行った。両者の次元公式は、セルバーグ跡公式によれば、離散群の元の共役数に関する適当なデータの和で書かれるはずだが、Sp(n、1R)においては、Sp(n)では存在しない「中心的巾単元の寄与」がありうる。ラニングランズのstable conjugacy class に関する哲学によれば、このような項は本来消滅するはずである。一方、古典的な意味で美しい保型形式の対応関係をを得るには、対象とする離散群をminimal parohoric subgroup に取るべきであることが以前の研究でわかっていた。この時に保型形式をnew formとold formに分離し、上のような寄与は全体では本来消滅しないがnew formに制限すれば消滅することを示した。証明は寄与の収束と寄与の消滅の2段階にわかれる。前者は新谷による擬均質ベクトル空間のゼータ函数の理論により後者はBruhot-Tits 理論等の群論による。この結果の系として離散群に適当なレベルをつけ跡公式についての標準的予想を仮定すればSp(n、1R)とSp(n)の保型形式の次元の一致が示される。構造的証明であるので一般の代数群への拡張が期待される。 (1)(2)について名大と京大のシンポジウムにて発表した。英文論文は(1)は Math.Ann.に受理され(2)は準備中である。
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