研究課題/領域番号 |
61540064
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
吾郷 孝視 理科大, 理工学部, 助教授 (60112893)
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研究分担者 |
田口 淑子 東京理科大学, 理工学部数学科, 講師 (70120194)
岡 正俊 東京理科大学, 理工学部数学科, 講師 (70120178)
小林 嶺道 東京理科大学, 理工学部数学科, 助教授 (70120186)
高橋 秀一 東京理科大学, 理工学部数学科, 教授 (90158999)
大森 英樹 東京理科大学, 理工学部数学科, 教授 (20087018)
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キーワード | 不定方程式 / フェルマー予想 / 解の有効上界 / ディオファンタス近似 / 代数体の類数 / P-進解析 / Baker理論 / 類体論 |
研究概要 |
(1)類体論と関連する相互法則を対数微分商の手法を使って解釈し、同次な不定方程式のFermat商問題を研究した。結果として、形式的巾剰余記号の計算では求まらないと思われるいろいろな性質が発見でき、今迄のFrokeniusによる複雑な証明が相当簡約化された。今後Fermat商判定条件の基の拡張に役立つことと思われる。 (2)ディオファンタス解析により不定方程式の解の評価問題を研究した。特にBaker理論及びFilaseta-Granville理論を応用することによって、かなり広範囲の不定方程式系の解の個数が高々計算可能(Computable)な有効上界でおさえられることが判明した。しかし、この有効上界は計算機による計算が不可能と思われる非常に大きな数であるため、今後さらに厳密な評価が望まれる。一方、一般Fermat型不定方程式(例えば【ax^l】+【by^m】=【cz^n】)では、あまり強くない条件のもとで非自明解をもたないことと、また非自明解のみをもつ不定方程式の巾指数の集合がdensity1をもつことが証明できた。ある種の不定方程式系の定量的結果を二次形式の理論から逆に引き出すことが可能と思われる。 (3)代数体の類数とBernoulli数及び非正則素数の分布をLehmerアルゴリズムとは異なる手法を使ってパソコンで計算し、これを円体理論が適用される不定方程式の可能性問題に適用した。解の分布性状を統計学的に推測したが、新しい発見はデータ不足のため何もなかった。しかし一つの副産物として基本単数の決定及びP-進L関数の純算術的構成の足がかりができたと思える。(4)代数的K-理論及び【C^*】-Algebraの不定方程式への応用を試みた。非結合数(nonassociative number)に関する不定方程式論では通常の代数的整数に関するものとは全く異なる現象が観察され、予想もしない結果が導びかれた。non-standard Analysisの有効利用が望まれる。
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