研究課題/領域番号 |
61540122
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西山 昭徳 鹿大, 教養部, 助教授 (20041783)
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研究分担者 |
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (40107850)
山内 一也 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (60041787)
小柴 洋一 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (00041773)
坪井 昭二 鹿児島大学, 教養部, 教授 (80027375)
酒井 幸吉 鹿児島大学, 教養部, 教授 (20041759)
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キーワード | エルゴード性 / Amenabibity / 保測変換 / 零化群 |
研究概要 |
エルゴード性は数学の多くの分野に表れる。本研究では多岐にわたっているエルゴード理論の研究を総合的に進めようとするものであった。 古典的にはエルゴード理論は、測度空間において測度を不変に保つ変換の理論であるが、本研究の大きな部分の一つは問題を抽象的に捉えた研究である、即ち空間Xとその中で作用する変換の集合Sが作るSemigroupを考えて、変換半群(S,X)とX上の関数が作る関数空間に関して、AmenabilityとErgodicityにつき、綿密な研究が進められて成果が得られた。 つぎに古典的なエルゴード理論の面では、いわゆる同型問題が大きい問題でその研究は1958年にKolmogorovによりエントロピーが導入されて以来、著しく発展してきており、数多くの優れた結果が得られている。その線に沿ったものとして本研究でとりあげたのは、確率空間における変換のエントロピーが0である場合、変換が空間で定義された関数が作る空間【L^2】にひきおこすユニタリ作用素のスペクトルはどのようなものであるか、という問題である。この問題では具体例についてエントロピーの値を算出するなど一定の前進が見られている。 また有限測度空間における可積分関数のエルゴード的変換による時間平均は空間平均に一致する即ちn→∞のとき1/n【(n-1)!Σ!(i=0)】f(T^ix)→1/(m(y))〓f(x)dmが成り立つわけであるが、その収束の状況に興味が持たれ、具体的な関数f、変換Tについて、数値解析的に調べる研究も進められ、現在も継続中である。 そのほか、エルゴード理論の統計学への応用、数論への応用、多変数関数論とエルゴード定理について、微分幾可学や複素解析学から見たエルゴード性の研究、作用素列の収束とエルゴード定理について等、各分担者により研究が進められそれぞれ進歩が見られた。なお、文献の収集・情報の交換という点でも得られるところが少なくなかった。
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