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1986 年度 実績報告書

作用素環上の非可換確率論と力学系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540138
研究機関北海道大学

研究代表者

日合 文雄  北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30092571)

研究分担者 中村 美浩  北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (50155868)
キーワード非可換確率論 / von Neumann 環 / s-number / majorization / 条件付期待値 / マルチンゲール / 完全正値写像
研究概要

本研究は作用素環上の非可換確率論と非可換力学系を解明することを目的とした。非可換の確率論・積分論は通常Von Neumann環(以下、V.N.環)上で定式化され、確率測度または測度に相当するものとして正規な状態または荷重が用いられる。状態または荷重がトレースとなる場合は従来より盛んに研究されている。通常の古典的確率論はV.N.環が可換な場合として非可換確率論に包含される。以下に本研究で得られた主要な成果を述べる。
1.行列論、作用素論において、固有値と特異値(s-number)の概念は重要であり、これらを用いて定義されるmajorizationと呼ばれる順序は作用素のノルム不等式や作用素から各種の空間の研究に有用である。これらのs-numberとmajorizationの理論はトレースをもつ一般のV.N.環上で定式化できる。日合はV.N.環上でmajorizationとstochastic写像の関係を解明した。行列の和と積のs-numberに関して基本的なmajorizationが知られているが、日合・中村はこれらをV.N.環に付随する可測作用素の場合に拡張して証明し、これからいくつかのノルム不等式を導いた。
2.古典的確率論において重要な条件付期待値とマルチンゲールの理論は非可換確率論でも大きなテーマである。日合・塚田はV.N.環上の状態または荷重に関する非可換【L^p】空間において条件付期待を考察し、【L^p】ノルムでのマルチンゲール収束を確立した。
3.作用素環の間の写像に対しては、完全正値性に基づく順序が最も自然である。これまで線形な完全正値写像が考察されていたが、安藤・ChoiおよびArvesonは非線形な完全正値写像の表現定理を最近与えた。これを発展させて、日合・中村は非線形完全正値写像の表現問題と拡張問題を解明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] F.Hiai: J.Math.Anal.Appl.

  • [文献書誌] F.Hiai: Math.Z.

  • [文献書誌] Y.Nakamura: Integral Eq.Operator Th.10. 140-145 (1986)

  • [文献書誌] F.Hiai: J.Math.Soc.Japan.

  • [文献書誌] F.Hiai: J.Operator Theory.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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