研究課題/領域番号 |
61540142
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森 正武 筑大, 電子・情報工学系, 教授 (20010936)
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研究分担者 |
杉原 正顕 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (80154483)
稲垣 敏之 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (60134219)
小柳 義夫 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (60011673)
名取 亮 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (70013745)
池辺 八洲彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (10114034)
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キーワード | スーパーコンピュータ / 大規模疎行列 / 不完全LU分解 / 前処理付き共役傾斜法 / 前処理付き共役残差法 / 並列計算 / ベクトル化 / 基本関数 |
研究概要 |
本研究班では、スーパーコンピュータのための基本的手法の一つとして、大規模疎行列を係数にもつ連立1次方程式の解法である前処理付き共役傾斜法あるいわ前処理付き共役残差法の系統の方法(ICCG法、MICCG法、ILUCR法、BCG法、CGS法等)について、そのアルコリズムと効率に関して研究し、さらにいろいろな実際上の問題に応用した場合のその適性を確かめる研究を行っている。 名取は、大型の非対称疎行列に対する線形計算の方法であるBCG法とCGS法の比較研究を行った。森は、ICCG法等の共役傾斜法系統の方法のいわゆる残差多項式を具体的に図示し、収束の様相を調べる研究を行った。杉原・小柳・森は、スーパーコンピュータにおける計算でとくに流体力学の分野で現在でもよく使用されているベクトル化するSOR法系統の方法についてその効率を理論的に解析し、この方法の効率がかなり悪いことを明らかにした。また、森・名取は、溶鉱炉における鉄とスラグの流れの問題を有限要素法によって解析し、そこに現れる連立1次方程式にICCG法を適用して効率的に解を得た。さらに、小柳は格子ゲージ理論に現れる問題に不完全LU分解を前処理とする共役残差法を適用し、235万元の複素連立1次方程式を解くことに成功した。 本研究班では、もう一つのテーマとして、スーパーコンピュータのための基本関数の計算アルゴリズムの研究を行っている。ベクトル計算機あるいは並列計算機における基本関数の並列計算アルゴリズムについては、さらに昭和62年度にも継続して研究を行う予定である。
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