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1986 年度 実績報告書

星生成を伴う巨大ガス雲の進化の数値実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540173
研究機関東北大学

研究代表者

土佐 誠  東北大, 理学部, 助教授 (50022728)

キーワード星生成 / ガス雲の安定性 / ガス雲の非線形振動 / 銀河の進化 / 矮小銀河 / 銀河系の化学進化
研究概要

1.一様ガス球モデルの数値実験的解析、星生成を伴う巨大ガス雲の進化の基本的性質を調べるために、星生成を伴う一様なガス球のモデルを作り数値シュミレーションによってその力学的性質と進化を調べた。その結果、星の生成率、粘性等によって、カス雲の力学的性質は大変多様な性質を示すことが明らかになった。とくに、従来考えられていたような星の生成率では、ガス球が不安定になること、また、安定なガス雲も、粘性や星生成の遅れなどを考慮すると、過安定になったり、リミットサイクル振動を行ったり、カオス的準周期振動を行なったりすることが明らかになった。これらの性質によって、宇宙において非常に多様な天体の形成が可能になったと思われる。
2.星生成を伴う巨大ガス雲の例(1)矮小銀河の形成と進化の数値実験.矮小銀河は、最初巨大なガス雲として形成されたが、星の生成によって加熱されたガスが大量に銀河から放出されたと考え、矮小銀河の進化を数値シミュレーションによって調べた。矮小銀河はその進化の初期にほとんどのガスを失い、質量の減少に伴って膨張し、現在観測されるような表面密度の低い広がった天体になったことが解った。このモデルによって、矮少銀河の観測されるいろいろな性質が自然に理解できることが明らかになった。
3.星生成を伴う巨大ガス雲の例(2)銀河系の初期の進化.銀河系は巨大なガス雲として誕生し、そのガス雲の収縮の過程で星が形成され銀河の構造が順次形成されたと考えられる。この過程の化学進化を解析すると、銀河系は、初期の急速な収縮期にハローが形成され、収縮が減速した時期にハローと円盤の中間領域が形成され、最後に、円盤部がゆっくりと形成されたことが明らかになった。このような銀河系の進化の描像によって、球状星団の分布や運動状態,元素組成,年齢,ハローや円盤部の収縮時間等の関係が自然に理解できるようになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Tosa: Publications of the Astronomical Society of Japan. 38. 335-346 (1986)

  • [文献書誌] T.Hasegawa: Publications of the Astronomical Society of Japan. 38. 379-394 (1986)

  • [文献書誌] O.Kameya: Publications of the Astronomical Society of Japan. 38. 793-810 (1986)

  • [文献書誌] T.Kimura: Astrophysics and Space Science. 129. 261-269 (1987)

  • [文献書誌] Y.Kumai: Astrophysics and Space Science. 119. 211-212 (1986)

  • [文献書誌] Y.Sabano: Astrophysics and Space Science. 119. 167-168 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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