研究概要 |
今年度行ったことは、主に2項目の研究を推めたことと、予定していた研究セミナーを開催したことである。 第1の研究は、バリオン,光子,無衝突ダーク粒子からなる宇宙における密度ゆらぎの時間発展に関する式を、ゲージ不変な形で定式化し、再結合期の前から現在へ向って解くことで、この計算は今も進行中である。得られる結果は、宇宙背景放射の非等方度の観測と比較でき、宇宙初期の情報をもたらす。 第2の研究は、ダーク粒子が不安定な崩壊粒子である場合について、宇宙モデルを、銀河の個数分布観測のデータを比較して、モデルパラメターの値を調べたこと。パラメターの値の範囲は、かなり限定されることがわかったが、今後、さらに、せばめられると思われる。 第1及び第2の研究成果は、既に、学会,研究会において発表している。 研究セミナーは、1987年1月26日〜28日に、広島大学理論物理学研究所会議室で開催した。名称は、「重刀理論と初期宇宙」研究会。東京大学,京都大学,大阪大学等から約20名の研究者が参加し、初期宇宙の構造と進化につき、研究発表と討議を行なった。
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