研究概要 |
1天体観測用CCDカメラシステムの改良 宇宙科学研究所鹿児島宇宙空間観測所(KSC)の60センチ望遠鏡用として開発を進めているCCDカメラ装置の改良を行った。ハード面では、装置の制御・データ処理に用いるマイクロコンピュータをレベルアップし、ハードディスク及びカラープリンタを追加するとともに、ソフト面では撮像データからの雑音の補正方法の改善、データ取込み速度の向上、グラフィック描画速度のスピードアップを実現した。これらの改良はKSCでの多くの試験観測に基づいて、CCDカメラとマイクロコンピュータとのインターフェイス回路及び制御プログラムの最適化を行うことにより実現したものである。 2活動的銀河中心核の測光及びSS433のモニター測光 活動的銀河中心核であるMCG8-11-11,NGC4051の中心核光度の測光をCCDカメラ及び三色光電測光装置を用いて行なった。CCDカメラによるデータと光電測光によるデータを比較することにより、銀河中心核のような広がった天体中の光源に対するCCD撮像データの最適な測光解析方法を見つけ、また最適な露光時間を決定すべく現在解析を進めている。本年度の観測は来年度に予定されているアストロCによるX線と光の同時観測のための予備観測として行なったものである。 また数年来続けている特異変動天体SS433の測光もCCDカメラ及び光電測光により行なった。 さらに本年度初めには、CCDカメラの特微を生かしてハレー彗星の中心核の撮像を連続して行い中心核近傍の形状変化の追跡を行うためのデータを得ることができた。このデータは岡山の東京天文台のデータと合わせて解析が東京天文台のグループにより進められている。
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