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1986 年度 実績報告書

格子ゲージ理論によるハドロンの質量の計算

研究課題

研究課題/領域番号 61540194
研究機関筑波大学

研究代表者

岩崎 洋一  筑大, 物理学系, 教授 (50027348)

キーワードU(1)問題 / 格子ゲージ理論 / ハドロン / η中間子 / インスタントン / クォーク / グルーオン / フレーバー重項
研究概要

η中間子がπ中間子に比べてなぜ非常に重いかはU(1)問題と呼ばれ、ハドロン物質の重要な問題である。この問題は、擬スカラー中間子では、フレーバー一重項のη中間子がフレーバー多重項のπ中間子の4〜5倍以上重いのに、ベクトル中間子では、フレーバー一重項のω中間子がフレーバー多重項のρ中間子とほぼ縮退しているという2つの問題を同時に解決することが必要である。この問題を解決する為に、クォーク・グルーオンの基本法則と考えられている格子ゲージ理論を用いて、解析的方法と数値的計算を組み合わせることにより、η中間子がπ中間子に比べて非常に重いのは、格子上にインスタントンが存在すること、uクォークとdクォークの裸の質量が非常に小さいことによることを明らかにした。また、ρ中間子がω中間子と縮退する理由も明らかにした。更に詳しく述べると、グリーオンの作用としては、本人が提唱したくりこみ群によって改善された作用、クォークの作用としてはウィルソンによる作用を用いた。クォークの伝藩関数のスペクトラム展開をまず導き、スペクトラムとゲージ場の位相との関係(アティヤ・シンガーの定理)を格子上で調べた。この結果により、位相的自明でないインスタントンの寄子がU(1)問題の解析で重要なことを解明した。最後に【8^3】×16の格子上でクウェンチ近似で数値的に、η,π,ω,ρ中間子の伝藩関数を具体的に計算し、上に述べた結論を得た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Itoh;Y.Iwasaki;T.Yoshi【e!´】: Physics Letters B.

  • [文献書誌] S.Itoh;Y.Iwasaki;T.Yoshi【e!´】: Physical Review D.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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