研究課題/領域番号 |
61540210
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鹿取 謙二 大阪大学, 理学部, 教授 (20013485)
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研究分担者 |
宮武 宇也 大阪大学, 教養部, 助手 (50190799)
大隅 秀晃 大阪大学, 理学部, 助手 (70176882)
森信 俊平 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (50016078)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1987
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キーワード | 原子核融合反応機構 / オンライン反跳核質量分析 / 陽子過剰不安定核からのアルファ崩壊 |
研究概要 |
宇宙の進化における元素生成過程を追究するために実験室内で原子核存在限界線に近かい不安定原子核群を生成しそれらからの崩壊形式及び崩壊確率を決定することにより物質形態の一つである原子核の存在形成理由を研究した. この研究では〔1〕新方法の完成:存在限界線に近かい不安定原子核群を如何にして多量に生成し, 目的とする特定の原子核のみを如何に選択的に分離収集し崩壊過程を如何にして特定し精度のよい崩壊確率を短時間に得るか. 我々は新しく巧妙な方法を工夫開発しほゞ完成する事に成功した. 〔2〕新しい知見:新しく観測した広い範囲にわたる陽子過剰不安定原子核群のアルファ崩壊確率からこれらの原子核の基底状態の構造及びそれらの系統性を示す事が出来た. 即ち新方法によって得られた精度の高い換算アルファ巾が原子核の変形の様子に非常に敏感で感度のよい観測量であることが判明し四重極変形とともに八重極変形の系統性が新たに判明した. 新方法とは原子核ビームと原子核の衝突により共鳴原子核融合反応を起させ生成した陽子過剰不安定核(寿命約数秒)を反〓核質量分析装置に導入し質量分解能750で質量/電荷比分離を行い三重収束によって再び焦点に収集し直接半導体位置検出器に打ち込む. 同一検出器でビームoffの間のみ崩壊過程を測定する. バックグラウンドのほとんどないきれいなアルファ線群が得られた. 目的とする唯一の同位体からのアルファ崩壊の収量を最大にするために全測定系の最適化が行えるように工夫し行った. その結果精度の高い分岐比を得る事が出来た. 今後ビーム強度の増加が行え得ればこの方法は不安定研究の測定方式として世界最高の性能を持ち得るだろう. 他分野への応用が大いに期待出来る.
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