空気シャワーに伴う電磁パルスについて、計測器の整備とともに、まず予備観測を行った。空気シャワーの検出は高知大学理学部2号館屋上に、プロポーショナルカウンター(50cm×50cm)4台を長方形(9m×10m)の頂点に置き、それぞれに同時にある一定の粒子数以上の入射があったときを空気シャワートリガーとして、これも屋上に設置してあるボールアンテナの出力をデイジタルオシロスコープに記録している。データはGPIBを通して、マイクロコンピュータのフロッピーディスクに書き込んでいる。1イヴェンを4224バイとして、1枚のフロッピーディスクに150イヴェントが記録可能である。 データ処理はフロッピーディスクから磁気テープに移し汎用コンピュータによる解析を行う。しかし、現在はマイクロコンピュータによる予備解析の段階である。空気シャワーによるトリガーにより記録したボールアンテナの出力波形をフーリエ変換することにより周波数スペクトルを得た。この結果比較的人工ノイズの少ない波形においても15KHzの波が卓越していることがわかった。 一般にはもっと大きい人工ノイズが重なっているため、いかにして空気シャワーに伴っていると判断される波形を見出すかというのが問題である。それにはまず第一に人工ノイズの少ない場所で観測するということが肝要であり、本観測は笹山(高知大学理学部地球観測所)で行うための作業が進行中である。第二には空気シャワーそのものの計測をきちんとするということが必要であり、シンチレーションカウンター系の配備を行っている。
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