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1986 年度 実績報告書

偏極熱外中性子を用いた高エネルギー磁気励起の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540220
研究機関東北大学

研究代表者

神木 正史  東北大, 理学部, 助手 (30004451)

研究分担者 増田 康博  高エネルギー物理学研究所, 助手 (60150009)
佐藤 武郎  東北大学, 理学部, 助教授 (00004424)
キーワード磁気励起 / 中性子散乱 / 偏極中性子 / 熱外中性子 / パルス中性子 / サマリウム化合物 / ガドリニウム化合物
研究概要

本研究は、高エネルギー物理学研究所パルス中性子源施設(KENS)に設置された、偏極熱外中性子分光器(PEN)を用い、以下のように行った。
1.偏極熱外中性子回析の研究
最近Sm,GαあるいはCα化合物で興味ある磁性を示すものが多くあり、これらの磁気構造を調べることが大変重要であるが、これらの物質は熱中性子領域では中性子の吸収が強く回析実験が困難である。これに対し、エネルギーが1ev程度の熱外中性子領域では中性子の吸収断面が比較的小さく回析実験が可能である。我々はこの点に注目し、Sm【Sn_4】、【Sm_4】【As_3】の磁気構造の研究を熱外偏極中性子を用いて行った。磁気構造を決定する際には、Smの熱外領域での干渉性散乱長bを正確に知る必要があるが、これについての実験データが今までなかった。そこで我々はまず、Sm【Sn_3】単結晶の(100)及び(200)核散乱の強度の比から、これを0.4〜2evの範囲で求めた。次にこれをもとにして、Sm【S_(n3)】の磁気構造を調べた。この物質は【T_N】=10Kの反強磁性であるが、その構造は明らかでない。そこでT=5Kにおいて[100],〔110〕,〔111〕主要方向について、反強磁ピークの存在を調べたが、有意の反強磁性シグナルは観測されなかった。このことはSmあたりの磁気モーメントが約0.1μβ以下の小さなものであるか、あるいは、反強磁性秩序ベクトルが上記の主要方向以外の方向を向いているかのいずれであることを示している。【Sm_4】【As_3】については実験が継続中である。
2.偏極アナライザーの開発
我々はPEN分光器の、既設の試料テーブルと検出器の間に、新たに回転軸を設け、その上部に結晶型の偏極アナライザーを設置可能にした。これによって、磁気非弾性散乱を接散乱等の他のバックグラウンド散乱から分離測定可能になり、PENの応用範囲が格段に広がった。来年度以降において、その成果が期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Fujimoto;K.Oyama;M.Kohgi;B.Liu;M.Kasaya;A.Ochiai;T.SuzuKi;Y.Masuda: KEK Proqress Report,KENSREPORT-【VI】. 86-2. 103-106 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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