研究概要 |
63年度は最終年度に当たり、印刷費しか認められなかったので、これまでの成果を「ラーベス相化合物の電子構造と磁性」を中心に論文として発表した。ラーベス相AB_2、特にAFe_2でA原子が稀土類金属の場合および、ネオマックスとその周辺の化合物、即ちR_2Fe_<14>BCR=Y,Ce,Nd,Gd)の場合、RFe_2,RFe_5,R_2Fe_<17>CR=Y,Ce.Gd)の場合、SmCo_5の磁気異方性の研究は、LMTQ法では無理なのでもっと精度の高い、例えば、FLAPW法のような計算が必要になるが、FLAPW法はLMTQ法の1000倍以上の計算時間が必要となることが判明したので、この科研費の中では不可能なため見送ることとした。その電子構造、磁気モーメント等についてはLMTQ法の計算で充分意味があるので、現在論文を準備中である。 当科研費によるものではないが、本研究テーマの継続として、LaB_6およびCeB_6の電子構造をFLAPW法で計算し、更にその陽電子消滅のプロファイルを計算して実験と比較しこれらの化合物におけるベンドモデルの妥当性を調べた。また、本科研費によって開発したLMTQ法のプログラムを少し拡張して、シリコンシリサイドの金属半導体界面の電子構造を計算し、いくつかの面白い知見を得た。このテーマも将来重要な研究課題になると期待される。
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