研究概要 |
非平衡状態にあるアモルファス半導体の性質を利用した種々な応用の研究がなされている。その代表的な例は光構造変化を利用した記憶素子、アモルファス半導体の光結晶化現象を利用した微細加工である。しかし、その用い方によっては、それらの長所は短所ともなる。たとえば、アモルファス半導体を太陽電池として用いたとき、長時間の光照射は構造変化を誘起したり、欠陥を生成したりするため、その性能を著しく低下させる。この現象はステブラーローンスキー効果と呼ばれている。アモルファス半導体を発光体として利用する場合には、ルミネッセンス強度が照射時間とともに減少するため、その性能が悪くなる。これは、ルミネッセンス疲労と呼ばれている。これら一連の光照射による構造変化,光結晶化および欠陥の生成過程を螢光顕微鏡を製して観察する計画である。 今年度の交付金でオリンパス実体顕微鏡を購入することができたので、早速それを螢光顕微鏡に改造する作業に着手した。オリンパス実体顕微鏡の撮影筒部を取りはずし、光電子増倍管を取り付ける台の製作に着手した。オリンパス実体顕微鏡の焦点距離は30mmであるので、試料を冷却するクライオスタットの石英ガラス窓と試料の間の距離をせいぜい20mm以内であるような小型クライオスタットを作らねばならない。その設計が終了したので現在製作中である。
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