研究課題/領域番号 |
61540226
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
末澤 慶孝 横国大, 工学部, 助手 (30143738)
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研究分担者 |
角野 圭一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017918)
権藤 靖夫 横浜国立大学, 工学部, 教授 (50017852)
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キーワード | アモルファス / 磁性 / 薄膜 / トンネル効果 / 電子状態 |
研究概要 |
本研究は、超伝導体とアモルファス磁性合金間の、スピン偏極に依存したトンネル効果を利用し、アモルファス磁性合金膜の電子状態に関する知見を得て、アモルファス磁性合金膜の磁気的性質に関する基礎的理解を得ることを目的とする。本年度はこの目的を達成するため、測定系の改良とトンネル接合素子作製技術の確立とに主眼を置き研究を進めた。 1.測定系の改良について 本年度科学研究費補助金によりロックインアンプを購入し、既存の測定電気回路系に導入、装置を改良した。すなわち、ロックインアンプを利用した変調方式を導入し、試料の静的電流(【I】)一電圧(【V】)特性測定のみならず(d【I】/d【V】)-V特性の測定も可能にし、試料の電子状態を精密に検討出来るようにした。又、磁界中、1K〜室温の温度範囲で測定を可能にするため、既存の低温測定系に真空装置を付属させた。更に、パソコンによる測定の自動化を行った。 2.トンネル接合素子作製技術の確立について アモルファス磁性合金膜の組織構造、磁性について基礎的理解を深めた。Tb-Fe,Bi-Ni等アモルファス磁性合金膜の作製には、RFスパッタ及び高濃度イオン注入法を用い、これらの膜の透過電顕観察、各種磁気測定、電気低抗の温度依存性等から、構造と磁性の関係等を調べた。又、Al及びNi電極膜を大気中酸化して得られる【Al_2】【O_3】膜及びNiO膜を絶縁障壁とした接合試料を試作、そのトンネル効果を調べた結果、【Al_2】【O_3】膜の方がより安定で良質の絶縁障壁となることを確認した。これを更にNi-Al-【Al_2】【O_3】-(第2電極)構造をもつ接合素子に発展させ、現在試作検討中である。尚、これらの成果の一部はInternational Syposium on Physics of Magnetic Materials(1987年4月、於仙台、発表番号10P-4b02)にて発表の予定である。
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