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1988 年度 実績報告書

競合する相互作用をもつ量子スピン系の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540265
研究機関神戸大学

研究代表者

利根川 孝  神戸大学, 理学部, 教授 (80028167)

研究分担者 原田 勲  神戸大学, 理学部, 助手 (10030785)
キーワード1次元量子スピン系 / 競合する相互作用 / 静的性質 / 有限温度における性質 / 量子転送行列法 / 動的性質 / soliton型素励起 / triplet-dimer型素励起
研究概要

最終年度でも、反強磁性的あるいは強磁性的な最近接相互作用および反強磁性的な第2近接相互作用をもつ1次元格子上の量子ハイゼンベルグスピン系(スピンの大きさは1/2)を考え、次の2通りの研究を行った。
1.最近接相互作用が強磁性的である場合の有限温度における静的性質:相互作用が等方的である場合について、鈴木-Trotter公式に基づく量子転送行列法を用いて、系の内部エネルギーや比熱の温度依存性、また静的スピン相関関数の遠距離挙動を記述する相関距離や波数の温度依存性を計算した。更に、これらの結果を、初年度に得た最近接相互作用が反強磁性的である場合に対する結果と比較し、比熱対温度曲線におけるピークの位置や上述の波数の相互作用定数・温度変化に特徴的なdisorder lineなどについて、お互いの間の類似点、相違点を明らかにした。
2.最近接相互作用が反強磁性的である場合の動的性質:相互作用がイジング型の異方性をもつ場合について、系の動的性質を調べた。特に、最近接および第2近接相互作用定数がシジング極限でのdegenerate pointに近い値をとる場合には、それらの値によって、neel状態、(2.2)-antiphase状態、singlet-dimer状態の3種類の状態が、基底状態になることが知られているが、前2者に対してはsoliton型の素励起が、また後者に対してはtriplet-dimer型の素励起がpropagating modeとして存在することを見いだした。更に、スピンの数が12個の有限系に対して動的スピン相関関数を計算し、そのcentral peakの振動数の関数としての形がsoliton型の素励起の散乱によってよく説明され、またそのside-band peakの振動数の関数としての形がtripletdimer型の素励起の生成消滅によってよく説明されることを示した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 利根川孝、原田勲: Journal of the Physical Society of Japan. 56. 2153-2167 (1987)

  • [文献書誌] 原田勲、木村哲司、利根川孝: Journal of the Physical Society of Japan. 57. 2779-2790 (1988)

  • [文献書誌] 利根川孝、原田勲: Journal de Physique.

  • [文献書誌] 原田勲、木村哲司、利根川孝: Journal de Physique.

  • [文献書誌] 利根川孝、原田勲: Physica.

  • [文献書誌] 五十嵐潤一、利根川孝: Physical Review B.

  • [文献書誌] 五十嵐潤一、利根川孝: Journal of the Physical Society of Japan.

  • [文献書誌] 利根川孝、原田勲: Journal of the Physical Society of Japan.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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