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1986 年度 実績報告書

物性現象におけるカオス

研究課題

研究課題/領域番号 61540267
研究機関早稲田大学

研究代表者

斉藤 信彦  早稲田大, 理工学部, 教授 (20063125)

研究分担者 浅井 博  早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063584)
キーワード量子カオス / ウィグナー分布 / ランダム行列 / 膜電位 / ストレンジ・アトラクタ / Grassberger-Procaccia法
研究概要

1.カオスの基礎的研究。古典系カオスの量子系への反映として、エネルギー固有値の最近接レベル分布がウィグナー分布を示すことは有効な指標と考えられている。従来レベルの分布がウィグナー型になることの理論的根據とされて来たものは、ランダム行列理論であり、それは個々の行列要素の統計的独立性を仮定している。そこで四次の固次ポテンシャルや、モース型ポテンシャルをもったハミルトン系で、各行列要素が独立なランダム変数と見做されるかどうかを調べた。その結果によると実際のハミルトニアンの行列要素の分布は決してランダムとはみなしえず、非常に広範な非ランダム行列の集団もまたウィグナー分布を支えることがわかった。
2.ゾウリムシの膜電位変化の解析。生物の行動にはしばしばゆらぎをともなっていてそれを積極的に利用していると考えられるものがある。例えばゾウリムシは適温の場所や餌の多い場所を探す際方向変換をしばしば行なってランダムに動く。この行動は繊毛の動きによるもので、膜電位の変化と密接な関係がある。これは積極的にカオスをつくっていると考えられるが、その力学系の自由度は小さいにちがいない。そのストレンジアトラクターの次元は少数次元であろう。GrassbergerとProcacciaは、一次元の時系列から、アトラクターの次元をきめる方法を考案した。我々はこの方法に従って、膜電位の時系列から、アトラクターの次元を求めた。こうして膜電位の時系列の測定からえられた結論を要約すると次のようにいうことが出来る。ゾウリムシの膜電位ゆらぎは自由度での力学系と、熱ゆらぎの重ね合わせである。なおこの力学系の自由度は環境によって、特に外液のカルシウム濃度によっても変わる。この力学系のくわしいことはこれからの研究である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] A.Shudo: J.Phys.Soc.Japan.

  • [文献書誌] 斎藤信彦: 物性研究.

  • [文献書誌] 永井喜則: 物性研究.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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