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1988 年度 実績報告書

非線形現象におけるソリトン抽像の適用性

研究課題

研究課題/領域番号 61540271
研究機関東京大学

研究代表者

和達 三樹  東京大学, 教養学部, 助教授 (60015831)

キーワードヤン・バクスター関係式 / 厳密に解ける模型 / ソリトン理論 / 結び目理論 / 絡み目多項式 / 共変場の理論 / 2変数絡み目多項式 / 可解格子模型
研究概要

本研究計画の最終年度である本年は、統計力学における解ける模型とトポロジー的不変量との関係を中心に研究を行った。
1.解ける模型の十分条件であるヤン・バクスター関係式から組みひも群の表現を構成できることを示した。
2.その表現の上で、マルコフトレースが定義され、絡み目多項式(結び目・絡み目に対する不変量)が導入できることを示した。
3.上に述べた2つのことから、統計力学における解ける模型を用いて絡み目多項式を構成する一般論が提出できた。この定式化は、IRF模型とバーテックス模型の両方に対して有効である。
4.解ける模型から複合模型を作り、また、マルコフトレースを拡張することにより、2変数多項式を構成することができた。
5.ヤン・バクスター演算子から、組みひも演算子とモノイド演算子が構成され、それらの満たす代数(braid-monoid代数)が発見された。
6.こうして、解ける模型を用いると、結び目理論に対する色々な知見が得られることがわかった。また、これらのことは、共変場理論やトポロジー的制限つきの量子場の理論と深い関係を持ち、理論物理学の1つのトピックスとなっている。私達は、この新しい研究の流れを数年前から作っていたと自負している。
ソリトン物理またはソリトン数理物理が含む課題は予想以上に実り多いものであった。本研究計画では次々に新しい分野との関連が明らかにされ、非常にエキサイティングな研究ができたと思っている。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 阿久津泰弘: Commun.Math.Phys.117. 243-259 (1988)

  • [文献書誌] 出口哲生: J.Phys.Soc.Japan. 57. 757-776 (1988)

  • [文献書誌] 和達三樹: Solitons,ed.by M.Lakchmanan Springer-Verlag. 282-307 (1988)

  • [文献書誌] 阿久津泰弘: J.Phys.Soc.Japan. 57. 1173-1185 (1988)

  • [文献書誌] 出口哲生: J.Phys.Soc.Japan. 57. 1905-1923 (1988)

  • [文献書誌] E.OLMEDILLA: Phys.Rev.Letters. 60. 1595-1598 (1988)

  • [文献書誌] 和達三樹: J.Phys.Soc.Japan. 57. 2868 (1988)

  • [文献書誌] 出口哲生: J.Phys.Soc.Japan. 57. 2921-2935 (1988)

  • [文献書誌] 和達三樹: Suppl.Prog.Theor.Phys.94. 1-41 (1988)

  • [文献書誌] 和達三樹: Nonlinear Evolution Equations,ed.by A. Fordy,Manchester University Press(to appear). (1989)

  • [文献書誌] 和達三樹: J.Phys.Soc.Japan. (1989)

  • [文献書誌] 和達三樹: Physics Report. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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