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1986 年度 実績報告書

カオスと乱流の統計物理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540280
研究機関九州大学

研究代表者

森 肇  九大, 理学部, 教授 (90037143)

研究分担者 岡本 寿夫  九州大学, 理学部, 助手 (50037222)
吉田 健  九州大学, 理学部, 助手 (10037187)
キーワード非平衡開放系の非線形ダイナミックス / 散逸力学系のカオス / カオス / 間欠的カオス / パワースペクトルの統計物理学的理論 / パワースペクトルの大域的構造 / パワースペクトルのピーク列構造 / パワースペクトルの逆ベキ則
研究概要

非平衡開放系の非線形ダイナミックスを散逸力学系の立場から研究する場合、最も重要な課題はカオスの発生及び発生したカオスの挙動と応答を解明することである。現在カオス発生のシナリオとして、周期的カオス,間欠的カオス,不整合カオスの3つが知られている。それらの挙動及び応答の動的特性に関する知見を得るために、スペクトル構造の統計物理学的理論を構築し発展させた。間欠的カオスの発生点近傍での時系列は極めて規則的な周期運動(ラミナー運動)がバーストによって不規則に切断されたものである。ラミナー運動の継続時間に比べて、バーストの継続時間が無視される程に短かいときには統計理論の適用が可能となる。即ち、統計量として、ラミナー運動の継続時間τn及びその周期振動の波形a(t)と振幅変調χs,及びバーストの前後での周期振動の位相の飛びξnの特性関数を用いて、パワースペクトルを統計物理学的に構成した。
1.タイプ【I】の間欠的カオス:鞍点・結節点崩壊を2次接触写像によってモデル化し、パワースペクトルの大域的構造を明らかにした。その特徴はω=m【ω_ο】(m=0,1,2,…),(【ω_ο】はラミナーな周期運動の振動数)の各近傍に顕著なピーク列構造を示し、そのピーク列の包絡線は逆ベキ則に従う。即ち、S(ω)∞【|ω-mωο|^(-ζm)】,ζο=1,ζm=2,or3,(m≧1)である。
2.タイプ【III】の間欠的カオス:逆周期倍化分岐により発生する。そのパワースペクトルの大域的構造はω=mωο,m=1/2,1,3/2,2,…において顕著な単峰のピーク構造を示す。mの半整数値に対応するピークは逆周期倍化分岐によるものである。更に、これらのピークの漸近形は逆ベキ則に従っており、S(ω)∞【|ω-mωο|^(-ζm)】で与えられる。mが半整数のときζm=1/2,mが自然数のときζm=3/2となる。
3.ロデステック写像の周期3の窓の直前に見られるカオス(省略)。
4.タイプ【II】の間欠的カオス:(次年度に研究予定)。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 徐丙鉄: Physica D. 21D. 126-136 (1986)

  • [文献書誌] 森肇: Physica D. 21D. 355-370 (1986)

  • [文献書誌] 吉田健: Progress of Theoretical Physics. 76. 752-767 (1986)

  • [文献書誌] 森肇: Progress of Theoretical Physics. 76. 784-801 (1986)

  • [文献書誌] 吉田健: Progress of Theoretical Physics. 77 No.2. (1987)

  • [文献書誌] 岡本寿夫: Progress of Theoretical Physics.

  • [文献書誌] 巽友正 編,森肇: "『乱流現象の科学』第5章カオスの臨界現象と統計的性質" 東京大学出版会, 660 121-163], (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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