研究概要 |
本研究は2年度にわたることを踏まえ、初年度である今年度は解析に必要となる資料を探査収集し、解析に使える形に加工すること(データセットの整備)、および、日本海固有水に関する熱的な面からの積分制約条件を求めることを目指した。まず、気象庁発行北太平洋気候表から、緯度経度2度×5度ごとにまとめられた海上気象資料を計算機入力した。この資料は1981年までであるので、別途気象庁海洋気象部海上気象課から海上気象資料の生資料テープの提供を受け、上記資料と同質のデータセットを作成した。このデータセットから大気海洋間の熱交換量を算出した。一方、日本海洋情報センター(JODC)から、海洋各層観測資料,XBT,MBT,DBT資料の提供を受けた。これらの資料から緯度経度1度ごとの海域ごとに区分し、混合層の厚さ、貯熱量,混合層水温を求めるデータセットを作成した。また、日本気象協会が提供している米国大気海洋局の極軌道衛星NOAAの熱赤外画像資料ならびに解析のためのパソコンソフトを入手した。以上データセットの作成の面からは順調に進んでいるが、データの存在する期間が限られていること、特に外国沿岸のデータが不足していることがわかった。この後者の点に関しては、時系列を充分な精度で作成できないが、日本海全域に関する熱収支については平均値を与えるなどの工夫を行う予定である。次年度は今年度作成したデータセットを用いて水温-塩分分散図解析,時系列解析を行い、課題の日標達成を目指すことにしている。
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