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1988 年度 実績報告書

極域の雲水量・水蒸気量の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540304
研究機関国立極地研究所

研究代表者

川口 貞男  国立極地研究所, 教授 (40000153)

研究分担者 神沢 博  国立極地研究所, 資料系, 助手 (20150047)
西尾 文彦  国立極地研究所, 資料系, 助教授 (40044789)
藤井 理行  国立極地研究所, 研究系, 助教授 (20125214)
山内 恭  国立極地研究所, 研究系, 助教授 (00141995)
キーワードマイクロ波放射計 / 雲水量 / 水蒸気量 / 輝度温度 / 人工衛星 / 雲識別 / AVHRR画像 / 放射特性.
研究概要

極域の雲水量や水蒸気量を、衛星のデータや地上からのマイクロ波放射観測のデータから精確に求めるための手法を確立することが本計画の目的である。本年度は、昨年度南極域において実施したマイクロ波放射計による観測データから雲水量を算出し、また同じく昨年度南極域で受信したNOAA衛星AVHRRデータからの雲識別方法を検討した。
19および37GHz、2周波のマイクロ波放射計による雲の観測を行なった放射計出力は、液体空気を使った低温の恒温槽によって検定したが、これはパラボラアンテナ部を含まず、アンテナの物理温度への依存性が生じるため、温度をモニターして補正した。大気中の水蒸気量依存性を調べるため、高層観測データから水蒸気量を計算し放射計出力と比較したが、水蒸気依存が大きいと予想された19GHzであっても、測定精度を越えた依存性は得られなかった。
以上検討の上、雲水量を導出した。対象としている雲が、半径100μm以下の小さい雲粒からなり、また雲水量も余り大きくないとの仮定で、有効射出率は雲水量に比例するとして求めた。九州係数はStaelin(1966)の式を用いた。夏(12月)、冬(7月)1ヵ月ずつ計算したが、夏、冬とも、雲り日の場合は、10〜20mg/cm^2の雲水量の雲が多いことが明らかとなった。最大でも40mg/cm^2程度以下と、比較的薄い雲が多かった。
AVHRRデータ、赤外多波長チャンネルによる雲検知方法を試みた。極域雪面上の雲は、可視の反射光でも赤外の輝度温度でもなかなか見分けられない。そこで、雲面と雲による放射特性の違いによる輝度温度の差をとって雲の指標とした。日射のある時は反射光を含む4μm帯のチャンネル3と10μm帯のチャンネル4の差が雲の良い指標となる。日射の無い、低温の時はチャンネル4と同じくチャンネル5の差を利用し、輝度温度との2次元ヒストグラムを参考にすることで雲識別が可能となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Wada,Makoto.: J.Meteor.Soc.Jpn. 65. 483-495 (1987)

  • [文献書誌] Yamanouchi,Takashi.: J.Meteor.Soc.Jpn. 65. 949-962 (1987)

  • [文献書誌] Shimizu,Masanobu.: Antarctic Record. 33. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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