1.IMSネットワーク10秒値磁場データMT22巻を米国世界資料センターより購入、手持ちのものを合わせて1978年2月-1983年4月の約5年分がそろった。また、GOES静止軌道衛星磁場データのMTをコピーし、1974年-1983年のデータをそろえることができた。 2.上記のデータMTを読みこみプロットするプログラムを作成、任意の期間のデータが手もとのスーパーミニコンピュータで処理できるようになった。 3.GOES、IMP両衛星と地上磁場データを用い、磁気圏急膨張時の磁場変化を調べた。膨張の直接的効果はfast modeの膨張磁気流体(AM)波として低緯度地表へ伝わるが、同時に、Alfven modeのHM波が、最初Dawn-to-duskの、次にDusk-to-Dawnの電場を極地方電離層に伝え、その結果、高緯度地方では、波形が緯度と地方時に大きく依存する連統する2つのパルスが生じることがわかった。一点での磁場変化は、低緯度で卓越し地方時にあまり依存しない単純減少と、高緯度で卓越する連続2パルスの重ね合せとして解釈できる。これは、磁気嵐急始部(SC)に伴う変化のほぼ逆の機構になっており、急圧縮も急膨張も同じ機構で説明できることになる。 4.NASAの人工衛星ダイナミクスエクスプローラー(DE)のサマリープロットを調査し、SCおよび地磁気脈動(Pc)の事例を集積しつつある。一部についてIMSデータ、GOESデータと合わせた解析を開始した。そのうちの1例は、低緯度(磁気緯度約30゜)、低高度(約750km)でSCに伴うPc(Psc)が電場ドリストと磁場変化として観測されたことを示している。地上データは、緯度80゜から30゜の広い範囲にわたって、周期400秒から10秒のPscが出現していることを示している。これは、SCの衝撃により各緯度の磁力称shellがほぼ独立して共鳴を起していることを示唆する。
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