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1986 年度 実績報告書

固定化微生物によるスルフィドの不斉合成

研究課題

研究課題/領域番号 61540369
研究機関京都大学

研究代表者

岡 信三郎  京大, 化学研究所, 教授 (30027015)

研究分担者 中村 薫  京都大学, 化学研究所, 教務職員 (10101239)
キーワード固定化微生物 / 還元 / イオウ化合物 / 立体制御
研究概要

イオウ初化合物はその特性を利用して有機合成にしばしば使用されている。特にスルフィドはスルホキシドやスルホンへの酸化が容易であること及び隣接するカルバニオンを安定化することにより炭素-炭素結合が容易に合成できることにより合成化学上重要な化合物となっている。同一分子内に不斉中心を持つスルフィドはその不斉点を利用して上記反応の不斉誘導が可能であり、その合成に対する要求は大きい。本研究においてはスルフィド結合を持つケトンを微生物により還元し、不斉なスルフィドの合成を試みた。スルフィドはラネーニッケルにより簡単に水素に置きかえられるので、微生物反応における不斉収率の良くない化合物もしくは必要とされる反対のキラリティーのアルコールを与える化合物においては、スルフィドを持った化合物を合成し、微生物還元を行ない、不斉収率の向上もしくは必要なキラリティーのアルコールの合成を行なったのち、イオウを取りはずすことにより、不斉収率の向上や還元の方向を変えることが可能である。本研究においては種々のスルフィドを含むケトンを合成し、その微生物還元を行なった。微生物は固定化することにより、還元後のアルコールの取り出しが容易になった。アセト酢酸エチルはパン酵母によりS体のアルコールを与えるので、この立体制御を目指し、4位にスルフィドの置換したアセト酢酸エチルを合成し、得られるアルコールの立体の逆転を試みた。メチルスルフィドをつけたアセト酢酸ではラセミ体のアルコールが得られ、還元の方向がSからRに向っていることがわかった。n-ブチルスルフィドをつけたアセト酢酸エチルではR体のアルコールが得られ立体制御に成功したが、残念乍らその不斉収率は30%以下であり、良くなかった。そこで、さらに良い基であるオクチルスルフィドを置換させたアセト酢酸エチルを合成し、酵母還元に用いたが、この場合は還元が進行しなかった。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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