(1)伊豆下田産のアメフラシの中腸腺よりアプリシアピラノイドA〜Dと名ずけた含ハロゲンモノテルペンを単離した。この物質はテトラヒドロフラン環を母核とする新奇化合物で、強い細胞毒性を有することを明きらかにした。他のアメフラシ中にも類似化合物が含まれており、それらの一部にヒトガン細胞にも毒性を示すことがわかった。 (2)モズク(褐藻)が海水中に放出するアレロパシー物質を単離した結果、オクタデカテトラエン酸であると決定した。この物質は有毒赤潮プランクトンであるシャトネラ等の微細藻をわずか1ppmの低濃度で殺すことがわかった。この物質のフィールドにおける有効性について検討した。 (3)アミジグサ科の褐藻アミジグサより二種の新奇ジテルペンを単離・構造決定した。これらはいずれもこれまでのジテルペンにない特異な構造をしており、特に下図右の化合物は橋頭に二重結合を有する興味ある形をしている。これらの化合物の生理活性について検討した。
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