1.有機電極反応を用いた合成研究:フェノール誘導体(1)とオレフィン(2)を用いた電解酸化反応により、高収率かつ、立体特異的に化合物(3)を得た。この化合物(3)より17段階の反応を経て、メチルホモダフニフィレート(8)の重要合成中間体(4)を合成した。 2.新規クライゼン転位を用いた合成研究:光学活性なメチルホモダフニフィレートを比較的短段階で合成するために、l-カルボメントン(5)とアリルアルコール(6)を用いたクライゼン転位を行い、化合物(7)を得た。この化合物から7段階の反応を経て重要合成中間体(4)を合成した。 3.新規クライゼン転位反応に関する研究:2-メチルシクロヘキサノンと種々のアリルアルコールを用いたクライゼン転位を行った。E-アリルアルコールを用いた場合には、ほとんど100%のsyn選択性を示し、また収率も良かった。このように簡単な出発物質から、容易に、選択性良くクライゼン転位を行えることは極めて意義深く、また応用範囲も広く、今後、多くの研究者に利用されることが期待できる。
|