従来の光増感反応においては光誘起ー電子移動を含むため、ラジカル性の酸化還元反応に対しては有効であるが、「通常の」多電子移動を含む反応に直接連結することはできない。本研究ではロジウムーポルフィリンの酸化還元挙動が二電子単位で起こりやすいことに着目して、このものを光増感剤とする光化学的な二電子(ヒドリド)移動反応を検討した。オクタエチルポルフィリンのアセチル-ロジウム(【III】)誘導体を増感剤として用いると以下のヒドリド移動反応が可視光照射下に進行することが認められた。 1.B【(C_6H_5)_4^_】)を二電子還元剤とするニコチンアミド補酵素モテルのアルコール性溶媒中での1.4ージヒドロ体への還元(式1)。 2.【BH^ー_4】を還元剤とするアルキルブロミドのアルカンへの還元(式2)。 3.アルコキシドをヒドリド供与体とするアルキルブロミドの還元(式3)。4.1.4ージヒドロニコチンアミドを還元剤とするケトンの還元(式4)。
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