1.チトクロームb-562のN末端領域のアミノ酸配列を30残基決定し、この配列をもとに14塩基からなるオリゴヌクレオチドをプローブとして合成した。 2.1のプローブとハイブリダイズするR.sphaeroidesの7.4Kbp附近のDNA断片のクローニングをおこない、約1000個のコロニーから、上記のプローブとハイブリダイズするクローンを選んだ。このクローンの塩基配列をdideoxy法により決定した。 3.2の結果、open reading frameから予想されたアミノ酸残基数は157個で分子量は17237であった。また、塩基配列より決定されたN末端のアミノ酸配列は、気相シークエンサーにより決定されたものと完全に一致した。両者のアミノ酸組成もよく一致した。アミノ酸配列のhydropathy profileから、このチトクロームが4つの膜貫通領域を持つ典型的な膜タンパク質であることが示唆された。 4.以上の結果より、得られた塩基配列を持つ構造遺伝子はチトクロームb-562のものであることが示された。今後、チトクロームb-【C_1】複合体の他の構成成分の遺伝子とチトクロームb-562の遺伝子とのゲノム上での位置関係について調べる予定である。
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