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1986 年度 実績報告書

カイコ卵巣エクジステロイドの生理化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540517
研究機関名古屋大学

研究代表者

大西 英爾  名大, 理学部, 教授 (60022521)

キーワードカイコ / エクジステロイド / 卵巣 / 脱皮ホルモン
研究概要

1.構造未知のエクジステロイドの分離法の確立とその構造解析
カイコ卵巣に蓄積されている主要な遊離型のエクジステロイドについては既にその構造を確定した。親水性の高い結合型のエクジステロイドの分離について各種の方法を試行した。その結果ケイ酸のクロマトグラフィーとともに、セファデックスLH-20によるゲルクロマトグラフィーと、逆相系のカラムによる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が極めて有効であることがわかった。これらの操作を組み合わせて、約5kgのカイコの卵巣から6種のエクジステロイド結合型を分離することに成功した。これらのうちの4種は大腸菌から精製したアルカリ性フォスファターゼによって、エクジソン,2-デオキシエクジソン,2-デオキシ-20-ヒドロキシエクジソン,20-ヒドロキシエクジソンをそれぞれ遊離した。残りの2種は、コウシ小腸由来のフォスファターゼか、カタツムリの消化酵素によって、2、22-ビスデオキシ-20-ヒドロキシエクジソンとボンビコステロールを遊離した。トノサマバッタの卵から分離したサンプルとともにHPLCでコクロマトした結果から、エクジソンと2-デオキシエクジソンは、そのC-22位に燐酸が結合しているものと判断された。これらは、現在質量分析ならびに核磁気共鳴によってその構造を解析中である。
2.卵巣エクジステロイドの生理活性について
カイコ蛹の分離腹部によるバイオアッセイ系を確立し、その卵巣発育促進作用を定量化して各種エクジステロイドの生理活性を比較した。C-2位に水酸基を欠くものは約1/5の活性を示し、C-22位に無いものは、殆んど活性が無かった。またC-20位に水酸基を導入すると、活性は約2倍となる。側鎖の末端近くの水酸基は、C-24,C-25,C-26,C-27位のいずれにおいても、約1/2の活性を示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] E.Ohnishi: Zoological Science. 3. 401-407 (1986)

  • [文献書誌] M.Ogiso & E.Ohnishi: General and Comparative Endocrinology. 61. 82-86 (1986)

  • [文献書誌] M.Ogiso;Y.Fujimoto;N.Ikekawa;E.Ohnishi: General and Comparative Endocrinology. 61. 393-401 (1986)

  • [文献書誌] Y.Fujimoto;N.Ikekawa;M.Ogiso;E.Ohnishi: Experientia. 42. 567-568 (1986)

  • [文献書誌] E.Ohnishi: Proceedings of the Japan Society for Comparative Endocrinology. 1. 32 (1986)

  • [文献書誌] E.Ohnishi: Zoological Science. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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