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1986 年度 実績報告書

かたさの変わる結合組織の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540525
研究機関琉球大学

研究代表者

本川 達雄  琉大, 理学部, 助教授 (80092352)

キーワードキャッチ結合組織 / 粘度 / イオン環境 / カルシウム / pH / イオノフォア / アセチルコリン受容体
研究概要

かたさの変わる結合組織(キャッチ結合組織)の粘度に対するイオンの影響を調べた。材料としてニセクロナマコHolothuria leucospilotaの体壁の真皮を用い、クリープ試験により伸び粘度を測定した。粘度はCa欠除海水(Ca-free)中では正常人工海水(ASW)中の1/10になる。Ca-freeにSrを加えると粘度は通常値まで回復したが、BaやMgでは回復しなかった。ASW中の他の陽イオン濃度を変化させた。Mg欠除ASW,高MgASW,Naをコリンで置換したASW,Naを庶糖で置換したASW*,高KASW,低pH ASW*,高pH ASWの各液は、いずれも粘度を増加させた。ただしCa-free中では*をつけた液以外では粘度増加効果は認められなかった。Caは細胞外高分子間の粘度を保つのに必要であるとともに、粘度を制御している神経分秘細胞の活動にも必須と思われる。MgやKは細胞の活動に影響し、低イオン強度や酸性の海水は直接細胞外高分子間の相互作用に影響していると思われる。そこで【Ca^(2+)】や【H^+】濃度が分泌細胞からイオンが分泌されて変わっている可能性があるため、Caイオノフォア(A23187)とHイオノフォア(tetrachlorosalicylanilide,モネンシン)(各【10^(-5)】M)の効果を調べた。A23187は無効だったが、HイオノフォアはCa存在下で粘度を5倍上昇させた。ただしCa-free中では効果は見られなかった。これより、【Ca^(2+)】や【H^+】が直接分泌されている可能性は低いと思われる。
キャッチ結合組織の神経制御について薬理学的な研究を行った。ナマコ体壁真皮にも、ウニ棘キャッチ靭帯にも、ニコチン様とムスカリン様の二種のアセチルコリン受容体の存在することがわかった。ナマコにおいてはムスカリン様受容体は粘度減少と関係し、ニコチン様受容体は粘度増加と減少の両方に関与していた。キャッチ靭帯においては、両受容体とも粘度増加に関与しており、粘度減少はアドレナリン受容体が関与していた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hayashi,Yutaka: Journal of Experimental Biology. 125. 71-84 (1986)

  • [文献書誌] Motokawa,Tatsuo: Zoomorphlolgy. 106. 247-253 (1986)

  • [文献書誌] Motokawa,Tatsuo: Comparative Biochemistry and Physiology. (1987)

  • [文献書誌] Motokawa,Tatsuo: Comparative Biochemistry and Physiology. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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