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1986 年度 実績報告書

日本産カワトンボ属(トンボ目,カワトンボ科)の進化分類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540543
研究機関富山大学

研究代表者

鈴木 邦雄  富大, 教養部, 助教授 (70019264)

キーワードカワトンボ属 / 地理的分布 / 地理的変異 / 多形現象 / 競爭的排除則 / すみ分け / 形質置換 / 種分化
研究概要

本年度は、次の4項目を可能な限り実行することに目標を置いた。
1.主に北陸地方以北、特に北海道各地の個体群の地理的分布を調査する。
2.野外調査と同時に、計量形態学的解析に必要な集団標本を収集する。
3.得られた標本について、ハネを中心とする各部の計測を行う。
4.計測結果を申請者の研究室で開発したプログラムに従って、計量形態学的解析を行う。
以下、上の各項について、今年度の研究実績の概要を述べる。
1.北海道内をほぼ全域にわたって調査し、17ヶ所で本属の個体群を発見した。従来の知見と併せて、北海道におけるカワトンボ属の生息分布状況をほぼ把握し得たと思われる。すなわち、北海道では、ほぼ全域にわたってヒガシカワトンボ個体群が単独で生息しており、この状況は、基本的に東北・関東両地方へと連続するものであることが確認された。この点は、申請者の最近の仮説の正当性を裏づけるものである。従来数人の研究者が主張してきた北海道地方にヒガシカワトンボとは異質の個体群が生息する可能性はない。ただし、北海道のヒガシカワトンボは、本州北部の個体群とは体の平均的大きさや橙色翅型♂の翅前縁中央部の不透明斑の発達程度等に差が認められ、日本列島の他の数ケ所で確認された形質置換が生じていることが示唆された。この点は、本属の日本列島における進化過程を考察する上で大変重要である。
2.北海道各地で計量形態学的解析に必要な数集団を得ることができた。
3,4目下進行中である。
以上の他、補助金交付前、九州地方もほぼ全域を調査し、多くの新事実を明らかにすることができた。また、本属の進化過程を論じる上で極めて重要な地域である中国地方、特に島根県下(隠岐諸島を含む)の本属の地理的分布状況をほぼ明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Suzuki,K.;H.Kadowaki: J.Coll.Lib.Arts,Toyama Univ.(Nat.Sci.)〔富山大学教養部紀要自然科学篇〕. 19. 35-54 (1986)

  • [文献書誌] Suzuki,K.: J.Call.Lib,Arts,Toyama Univ.(Nat.Sci.)〔富山大学教養部紀要自然科学篇〕. 20. (1987)

  • [文献書誌] Suzuki,K.: Ball.Nat.Sci.Mus.,Tokyo(Ser.A.Zool.)〔国立科学博物館研究報告〕. 13. (1987)

  • [文献書誌] 鈴木邦雄: "『カワトンボ』(日本の昆虫シリーズ)" 文一総合出版(東京), (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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