• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

後期白亜紀沖合性アンモナイト類の適応戦略

研究課題

研究課題/領域番号 61540577
研究機関早稲田大学

研究代表者

平野 弘道  早稲田大, 教育学部, 教授 (00037293)

キーワード後期白亜紀 / 沖合性アンモナイト類 / ゴードリセラス / デスモセラス / トラゴデスモセロイデス / 適応戦略
研究概要

後期白亜紀の沖合性アンモナイト類としては、リトセラス亜目,フィロセラス亜目およびアンモナイト亜目のうちデスモセラス科のメンバーが代表的である。本研究では、これらのうちまず、リトセラス亜目のゴードリセラス属についてデータを整理し、先にHIRANO(1978)で述べたvar.denseplicatum,var.tenuiliratum,var.intermediumの3型に加えて、var.striatumも同種多型である可能性を示唆した。
次いで、アンモナイト亜目のデスモセラス科デスモセラス属およびトラゴデスモセロイデス属について、形態進化および種分化に関して、生物統計学的手法により新知見を得た。
すなわち、デスモセラス属のDesmoceras(Pseudouhligella)japonicumは後期白亜紀セノマニアン期を通じて存続し、この間主要形質(螺環半径・螺環幅・螺環内側部半径の回転角に対する成長率,胚殻径,単純比で幅:高さ・内側直径:外側直径,表面装飾)はホメオスタシスを示す。そして、セノマニアン/チューロニアン境界時に、殻表肋が顕著になることにより、中間型を経ずにragodesmoceroides subcostatusに進化した。T.subcostatusもチューロニアン期を通じて存在し、前述の主要形質に変化がなく、ホメオスタシスを示している。ところが、チューロニアン期中期のHobetsensis帯で、螺環半径の回転角に対する成長率が有意に減小し、成体サイズのより小さい一群が、それまでのT.subcostatusより相対的に浅海域に出現する。在来種とこの新型は完全に異地性であり、上述の主要形質の違いと併せ、浅海域への棲み分けにより種分化したと判断される。以上より、沖合性アンモナイト類は、その主要形態についてホメオスタシスを示し、種分化は急速で、浅海域への侵入という形で分枝し、その際の種分化も極めて急速になされたという特徴が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] HIRANO,Hiromichi: Neues Jahrbuch f【u!¨】r Geologie und Pal【a!¨】ontologie. (1987)

  • [文献書誌] HIRANO,Hiromichi: Transaction and Proceedings of the Palaeontological Society of Japan.

URL: 

公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi