研究課題/領域番号 |
61540580
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
大貫 仁 弘前大, 理学部, 教授 (00004317)
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研究分担者 |
柴 正敏 弘前大学, 理学部, 助手 (80125442)
箕浦 幸治 弘前大学, 理学部, 助教授 (10133852)
中谷 周 弘前大学, 理学部, 助教授 (80001626)
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キーワード | 低温・低圧広域変成岩 / プレーナイト-パンペリー石相の関連変成相 |
研究概要 |
本年度の調査・研究の概要を以下に列挙する。 1.岩手県葛巻地域:殆んどが白亜紀花こう岩質岩体の熱影響下にあるが、マグネシオリーベック閃石およびスチルプノメレーンが残留結晶として点々と見出される。特に前者は約15粁にわたりほぼ同一層準に出現する。また、僅かにパンペリー石とアクチノ閃石の共存が認められる。 2.岩手県岩手町地域:極めて狭い分布ながらも、パンペリー石ナアクチノ閃石の組合せが残存し、プレーナイトも見出される。 3.岩手県早坂高原地域:全般的に接触変成地域であるが、僅かに1個の緑色岩試料にパンペリー石+アクチノ閃石の組合せが見出された。 4.岩手県盛岡東一区界地域:パンペリー石と黒雲母の各々の出現域が区分できる。後者の熱影響の産物である。パンペリー石+アクチノ閃石の組合せが点々と出現する。プレーナイトは細脈をなすことが多い。 5.白亜系原地山層:太平洋岸の南北にわたり広く分布する原地山層およびその相当層も多くは接触変成を受けているが、パンペリー石とプレーナイトが残存することがある。アクチノ閃石も点々と出現するが、一般に黒雲母出現域に見出され、花こう岩質岩体の熱影響の産物であろう。牡鹿半島尖端部では同様にアクチノ閃石は接触変成で生じたものと考えられるが、パンペリー石およびプレーナイトに加えて沸石類も出現する。 6.各地に点在する低温の広域変成岩類の主要変成鉱物のEPMAによる化学分析を多数行い、造岩鉱物学的立場から検討を加えつつある。 7.現状において、北部北上山地に残存する低温広域変成岩類は、プレーナイト-パンペリー石相およびパンペリー石-アクチノ閃石相(定義によるが比較的低圧部)に属すると考えられる。
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