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1986 年度 実績報告書

阿武隈変成岩類の鉱物共生の解伏

研究課題

研究課題/領域番号 61540586
研究機関千葉大学

研究代表者

広井 美邦  千葉大, 理学部, 助教授 (40019427)

研究分担者 高井 憲治  千葉大学, 理学部, 講師 (10009053)
キーワード御斉所変成岩 / 竹貫変成岩 / 衝上断層 / ジュラ紀の放散虫化石 / 輝石ホルンフェルス相 / 接触変成作用 / ザクロ石斑状変晶 / 累帯構造
研究概要

本年度は、阿武隈変成帯の全体像をつかむために、広域の概査を行なうとともに、いくつかの重要地域において、詳細な地質調査と岩石記載を行なった、その結果、成果として次のような点があげられる。
1.阿武隈変成岩は、塩基性岩と珪質岩を主とする御斉所変成岩と、泥質ないし砂質の高度な変成岩を主とする竹貫変成岩とに区分される。
2.御斉所変成岩と竹貫変成岩とは断層(衝上断層)で接している可能性が大きいが、境界部は複雑である。
3.従来、竹貫変成岩のみの分布地域とされた江竜田川地域に、御斉所変成岩と考えられる岩石が見出された。クリッペである可能性が大きい。
4.御斉所変成岩の中からジュラ紀の放散虫化石が発見され、原岩の時代が確定するとともに、変成作用の時代に明確な制限ができた。
5.竹貫変成岩の一部がグラュライト相に属する程、高度の広域変成作用を受けた可能性が指摘されていたが、これは輝石ホルンフェルス相と考えた方がよく、また接触変成作用であることが明らかにされた。
6.竹貫変成岩は全体的に、角閃岩相の高温部に相当する高度の変成岩であるが、次のような現象が観察され、世界的に見てもまれであり、貴重である。
(1)ザクロ石斑状変晶に化学的な累帯構造が残されている。これは、竹貫変成岩の形成時の温度・圧力条件の変化を明らかにする上で重要であるとともに、高温状態の経続時間が短かかったことを示唆している。
(2)ザクロ石斑状変晶には、放射状に配列した包有物が見られることが多く、ザクロ石の成長が比較的急速であったことを示唆している。
次年度(最終年)には、特に6の点を重点的に研究する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 廣井美邦,横瀬正史,大場点,岸智,野原壮,八尾昭: 地質学雑誌. 93. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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