研究概要 |
新しい二酸化マンガン(【Rb_(0.27)】Mn【O_2】)の単結晶を合成し、結晶構造を決定した。mnサイズの針状単結晶を350℃,200MPaの水熱条件下で合成した。合成物は単斜晶系で空間群A2/mの対称を持つ。構造は二酸化マンガンの各種多形の中で、これまで見い出された最も大きな2×5のトンネル構造を持つことがわかった。Mnイオンの価数は三価と四価であり二価のマンガンは存在しない この結晶の化学組成は【Rb(^1+_0.27)】【Mn(^3+_0.27)】【Mn(^4+_0.73)】【O_2】である。【Rb^(1+)】イオンはトンネルの中に収容されており、その電子密度分布はトンネルの方向に伸びていることが見い出された。この結晶の電子顕微鏡による格子像を観察した。その結果、これまでTurner and Buseck等により報告されている格子像の様子と異り、この結晶は2×5のトンネルをもつ単一の相のみから成る結晶単位であることが判明した。 またBaを含む新しい酸化マンガンの単結晶を合成し構造の概要が決定された。mmサイズの針状単結晶を240℃,3.3MPaの水熱条件下で合成した。合成物は斜方晶系で空間群Cm2mの対称をもつ、Mnイオンの価数はすべて三価であり、化学組成は【Ba^(2+)】【Mn(^3+_2)】【O_3】【(OH)_2】である。結晶構造の詳細についての解析は、引き続いて行っている。 これらの単結晶の他にRbを含むホランダイト型二酸化マンガン単結晶及びBaを含む他の酸化マンガン単結晶が既に合成されており、結晶構造の解析に着手している。
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