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1988 年度 実績報告書

三波川帯泥質片岩の起源に関する岩石学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540592
研究機関北海道大学

研究代表者

渡辺 暉夫  北海道大学, 理学部, 助教授 (40135900)

研究分担者 飯泉 滋  島根大学, 理学部, 教授 (80032639)
キーワードシース褶曲 / 泥質片岩 / 三波川帯 / 緑泥石 / CとN
研究概要

本年度の研究によって得られた最も重要な成果は、四国中央部三波川帯の低変成度地域、緑泥石帯、に広くシース褶曲が存在することを確認したことである。三波川帯におけるシース褶曲の存在(とその可能性)はFAURE(1983)によって初めて明らかにされ、FAURE(1985)によって、三波川帯全体の問題として一般化された。しかし、FAURE(1983、1985)は緑泥石帯のかなりの部分ではシース褶曲を確認できなかったCFAURE、1985の図を参照)。報告者によって見出されたシース褶曲は重複変形を受けており、また後期の強い変形のため、シースの形態はかなりの程度破壊されている。しかし、稀に、eye-ball foldも見出された。四国中部で見出されたシース褶曲の伸びの方向は大局的にNW-SEである。このシース褶曲は原ほか(1988)の沢ケ内ユニットに見出だされる。冬の〓ナツプに入ると、FAURE(1985)の指摘するようなE-W性のcluctik shearが卓越する。つまり、ナップ下底で沢ケ内ユニットの転換があったものと思われる。
このシース褶曲の確認は泥質片岩の起源について次のような問題を投げかける。シース褶曲はQUINQUIS et al,(1978)の報告以来、しばしばより珪質部分に見出されてきている。これはshearに対する物質の対応が珪質部で特徴があり、シースを作り易いからである。シース褶曲を作るような変形を受けた時、泥質片岩にすでに珪長質の薄層がなければならない。つまり、泥質片岩ははチャートミナイトである。CやNの含有量から、泥質片岩は大陸泥物質の届かない遠洋域に堆積したものを原究とすると考えられる。しかし、玖珂層群では剪町帯に沿って、CやNが濃集しているので、構造運動とC・Nの濃集の関係についてはさらに検討されねばならない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 藤江信哉: 島根大学地質学研究報告. 7(号). 77-84 (1988)

  • [文献書誌] 渡辺暉夫: 月刊「地球」. 10. (1988)

  • [文献書誌] 渡辺暉夫: 地質学論集.

  • [文献書誌] 渡辺暉夫: "日本の地質4中部地方I(三波川帯・御荷鉾帯・秩父帯)" 共立出版, 332 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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