研究概要 |
1 小笠原産ボニナイトの全岩主成分・微量成分分析の結果, それらが島孤ソレアイトと比較すると, 高いRb/Ba, Ba/La比を有する特徴があることを示した. ('87/8-IUGG-Vancouver発表, 投稿準備中). 2 四国北東部のサヌカイト類については, オフィオライト国際集会の巡検地として国外・国内の研究者に紹介・討論をおこなった(SANUKITE-A FIELD EXCURSION GUIDE-(25P)を作成). 3 五色台の高マグネシア安山岩を含む8種の溶岩の1気圧溶融実験をおこなった. 一通り, リキダス相, リキダス温度を求める実験をおこなったが, これらの溶岩は粘性が大きいため気泡が抜けず, また冷却による結晶核生成・結晶成長速度が遅く, 平衡な実験結果を得るに至っていない. 1気圧溶融実験では, ODP LEG111の東太平洋海嶺玄武岩について斜長石-マグマ間のMg-Fe分配係数の酸素分圧依存性を明らかにした. これは天然の多くの火山岩に対して酸素分圧計として有効である. ('87日本火山学会秋季大会発表, 投稿準備中). 4 能登半島北方舳倉島・七ツ島産古銅輝石安山岩の放射年代測定, 鉱物組成, 全岩組成の記載をおこない, それらの生成条件について考察した(地質学雑誌投稿中). 5 山陰地方, 大山付近の第四紀無斑晶安山岩の試料採取および薄片観察をおこなった. これらは斜長石斑晶に富む島孤安山岩溶岩・火砕岩の間に, 厚い緻密な溶岩流として産し, 斑晶として少量の斜長石, オパサイトを含む. 斜方輝石斑晶は認められなかった. 今後, 全岩化学分析等をおこない, 同時代の斑状安山岩, 玄武岩との関係を検討したい.
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