シリコン上に結晶成長させたガリウム砒素の格子定数、フォトルミネセンス、エレクトロリフレクタンス、反りの測定を行なった。ガリウム砒素の厚さが増すと応力は増加し、約2μmで92×【10^8】dyn/【cm^2】に飽和する。さらに成長を続けてガリウム砒素の厚さが8μm程度になっても2段階成長法で観測されるクラック(ひびわれ)は生じない。これは応力がシリコンとガリウム砒素の界面付近の欠陥によって緩和されているためである。欠陥密度は界面付近には非常に多く存在するが、ガリウム砒素の厚さが増すと欠陥密度は減少する。一方、格子定数はガリウム砒素の厚さが増すと共にバルクの値より離れていく。 ガリウム砒素上に作製したレーザはTEモードで発振しているのに対し、シリコン上に作製したレーザは(TE+TM)モードで発振している。これはシリコン上に成長したガリウム砒素には引っ張り応力がかかっており、これによって価電子帯の縮退が解けているものだと考えられる。 シリコン上に選択成長を行ない、反りが緩和できることが確認できた。
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