研究概要 |
超音速流の剥離-再付着の代表的な例として, AOTV(Aeroassisted Orbital Transfer Vehicle)を取り上げ, それに起因する熱伝達量の増加を表面温度分布の立場から測定した. 非接触面同時測定を行なうため赤外線輻射温度計を用いた. 小型高エンタルピ風洞を用いて, 物体表面温度を測定したが, 小型模型のため, データの解像度が不十分で, さらに定量的測定に若干の問題点が判明した. そこで, 較正を行なうため, 熱電対を用いた測定との比較を行ない, その定量的測定における有効性を確認した. また, 解像度の向上を計るため, 大型模型を製作し, 極超音波風洞において, マッハ数8で迎角をパラメータにとり測定されたが, その表面温度分布に著しい特徴があることが見出された. 特に, 物体風上側(背面)における温度分布は, 局所的に高温領域が出現し, そのパターンは, 流れの剥離-再付着線のパターンと強い相関関係が存在することがわかった. 今後は, この相関関係を定量的に検討するため, 流れ場の構造の詳細な測定を行なう必要がある.
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